あいおい歯科グループ
新宿駅前歯医者・矯正歯科
理事長
浜島 均
経歴
愛知学院大学歯学部 出身
愛知県済生会病院 歯科口腔外科 にて研修
同大学 顎顔面外科学講座 口腔先天異常学研究室 所属
一般歯科医院を経て
2019年 あいおい歯科グループ 新宿駅前歯医者・矯正歯科 開院
皆さんは予防歯科への関心はどのくらいあるでしょうか。
「予防歯科」とは虫歯や歯周病などの病気になってから治療するのではなく、悪くならないように予防する治療のことを言います。
他の先進国の人々と比べると、日本人は定期的に歯医者へ行ってメンテナンスを受ける人が少なく、予防歯科への関心が低いと言われています。
歯の健康を末永く守るためにも、予防歯科への意識について海外と比較しながら説明していきます。
日本では8020運動といって「80歳まで20本の歯を残す」ことを目標に掲げた取り組みを行っています。当初7%程度だった達成率でしたが、2016年の時点で達成率50%を超えることができました。
一方で、予防歯科が最も進んでいると言われているスウェーデンではすでに8020が達成されていて、80歳の歯の残存率の平均はなんと25本、日本人の平均は8.8本なのでそれを遥かに上回っています。
スウェーデンでは1970年代に予防歯科を国家的なプロジェクトとしてスタートさせており、20歳未満の国民は歯のチェックや治療が無料で受けられる制度が整っています。そのため小さい頃から歯の健康作りが生活習慣として国民に定着しているのです。現在スウェーデンでは最も歯科疾患が少ない国と言われています。
予防歯科への意識を高めることで虫歯を減らし、自分の歯を長く残すことができるということが、スウェーデンの実例からお分かりになるかと思います。
8020運動について日本では定期的な歯のメンテナンスを行っている人は全人口の5%しかいないと言われています。
一方欧米では全人口の6〜7割が定期的に歯の検診を行っています。スウェーデンでは実に9割の国民が定期的なメンテナンスのために歯医者に通っています。
予防歯科に対する意識が日本と欧米では大きく異なり、日本人の意識がかなり低いということが分かります。
日本とアメリカやスウェーデンでは歯医者への通院目的も大きく違います
日本人の多くは虫歯や歯周病の治療目的で歯医者に通います。対してアメリカやスウェーデンの大半は歯の定期検診が目的です。
つまり、日本人は「虫歯ができたら(歯が痛くなってから)歯医者に行けば良い」という考え方、欧米では「虫歯にならないよう予防するために歯医者に通う」という考え方で、歯医者に行く目的の違いがあります。
直近1年の歯医者の利用回数でみると、日本人の方がアメリカやスウェーデンよりも多くなっています。
これから分かるのは、日本人は歯の治療のために何度か通院するのでメンテナンスだけで済む欧米よりも歯医者へ多く通わなければならないということです。
つまり、定期的に歯科検診を受けている方が結果的には歯医者に通う回数が少なくて済むのです。
どうして欧米が日本に比べて予防歯科への意識が高いのかというと、一つに保険制度があります。
日本では医療費に国民健康保険や社会保険が適用され、3割負担で済みます。歯科治療も数百円から数千円で収まることが多いです。
ですが海外の場合はそうではありません。貧富の差が大きいアメリカは国民皆保険制度が成り立っていないので、虫歯の治療を受けるだけでもかなりの高額な費用がかかることがあります。
それをみんなが知っているので、虫歯にならないように予防意識が非常に高く、歯科への知識も豊富なのです。
日本と海外の予防歯科への意識の違いを説明しました。歯医者では虫歯の治療は行いますが、虫歯になる以前の歯に戻せるわけではありません。
虫歯になったら再発するリスクもありますし、治療を開始するのが遅くなればなるほど虫歯が進行してしまい、神経を取り除かなければならなくなったり、抜歯しなければならなかったりすることもあり得ます。ですから、予防歯科は虫歯になる前に定期検診を受けることが肝心なのです。
「虫歯になってから歯医者に行く」という多くのこれまでの日本人の考え方は、やはり時代遅れのように感じます。定期検診を受けることで虫歯を予防できるほか、虫歯があったとしても早期に治療できるので健康な歯を守り、経済的な負担軽減にも繋がります。
欧米のように日本人も予防歯科への関心を高め、生涯健康な歯を目指していきましょう。
予防歯科について浜島 均
愛知学院大学歯学部 出身
愛知県済生会病院 歯科口腔外科 にて研修
同大学 顎顔面外科学講座 口腔先天異常学研究室 所属
一般歯科医院を経て
2019年 あいおい歯科グループ 新宿駅前歯医者・矯正歯科 開院
本ページに関連する内容が別ページにもあります。興味があればぜひご覧ください。
予防歯科 8020運動とは? ホームケアを見直そう