親知らず

親知らずとは

親知らずとは、歯の一番奥に生えている永久歯のことで、智歯(ちし)や第三大臼歯とも呼ばれます。親知らずが生える時期は一般的に10代後半から20代前半です。

そして親知らずという名前の由来ですが、昔の人は短命だったため親知らずが生えてくる20歳前後では既にその人の親は亡くなっていることが多く、「親に知られることなく生えてくる歯」という説があります。

親知らずは一般的に上顎の左右2本と下顎の左右2本の計4本ありますが、個人差があり4本揃っていない人や親知らずが生えていない人もいます。もし虫歯や炎症などのトラブルがあった場合、親知らずを抜歯するのが一般的です。

親知らずというのは私たちを悩ませることが多い歯ですが、昔と現代では親知らずの生え方に違いがあります。

昔は木の実や穀物、動物の生肉などの硬いものを嚙み砕くために丈夫な顎と親知らずを含めた32本の歯が必要でした。その頃は顎がよく発達していたため、親知らずが生えてくるスペースが十分にあり、まっすぐしっかり生えてくる可能性が高かったです。

ですが、現代では軟らかい食べ物が多くなったためによく噛むという習慣が薄れ、顎が十分に発達しなくなりました。そのため昔はまっすぐ生えてきた親知らずがスペース不足となり、斜めや横に生えたり、埋まってしまっているというケースが多くなりました。

つまり、昔は必要だった親知らずが現代では多くの人を悩ませるものになっているのです。

親知らずを抜歯することに躊躇される方は多いかと思いますが、親知らずを抜くことには様々なメリットがあるので紹介します。

虫歯や歯周病予防になる 親知らずは奥の方にあるので歯ブラシが届きにくく、きちんと磨いたつもりでも食べかすを落としきれずに残ってしまい、細菌が繁殖し虫歯や歯周病の原因となります。その親知らずを抜くことで虫歯や歯周病の原因を一つ無くすことができます。
口臭の悪化を防げる 親知らずがあると歯垢(プラーク)が残りやすく、それをエサとする細菌が繁殖し、口臭の原因となりますが、抜くことで口臭の悪化を防ぐことができます。
矯正治療後の歯の後戻りを防ぐ 親知らずが横に生えていた場合、前の歯を押すため歯並びが悪くなります。矯正治療前に親知らずを抜いておくことで、矯正治療後、きれいに並んだ歯並びを維持し歯の後戻りを防ぎます。

親知らずを抜くことはメリットばかりのようにも思いますが、デメリットもあるということを理解しましょう。

痛みや腫れが出ることがある 抜歯をしている間は麻酔をするため、痛みを感じることは特にありませんが、抜歯後麻酔が切れた時に痛みや腫れが出ることがあります。しかし、一般的には2〜3日後くらいにピークを越えると徐々に痛みは引いていきます。
当院では、できるだけ抜歯後に痛みや腫れが出ないよう最大限配慮した治療を行います。また、麻酔が切れる前に痛み止めを服用することで痛みを軽減させることができます。